お金持ちマインド集中講座(5回目)
今回の集中講座は、
「習慣」について。
貧乏人の多くは悪習慣が身についている。
浪費癖だったり、怠け癖だったり、借金癖だったりする。
そんな悪習慣を手放さない限り、絶対にお金持ちにはなれない。
デューク大学の学者が発表した論文によると、
毎日の人の行動の実に40%以上が「その場の決定」ではなく「習慣」だという。
朝起きて歯を磨き、顔を洗う。
テレビを見ながらトーストをかじる。
会社のデスクについたらパソコンの電源をつけてメールをチェックする。
会議ではお決まりの人物がお決まりの話をし、ダラダラと長くなる。
同僚といつもの居酒屋へ行き、いつものメニューを注文し、いつもの愚痴を話す。
「私たちの生活はすべて習慣の集まりにすぎない」
ウィリアム・ジェームズがそう言っている。
浪費が習慣化している人はお金持ちにはなれない。
暴飲暴食や喫煙が習慣化している人は健康にはなれない。
「自分はダメな人間なんだ」
という思考が習慣化している人は、優秀な人間にはなれないだろう。
悪い習慣を捨てて良い習慣を身につければ、
お金持ちにもなれるし、健康にもなれる。
では、良い習慣を身につけるには、どうすればいいのだろうか?
■1つの習慣を変えることに専念せよ!
1つのかなめとなる習慣のことを「キーストーン・ハビット」という。
リサ・アレンは、16歳で喫煙と飲酒をはじめ、ものごころついた頃からずっと肥満に悩まされていた。
20代半ばには1万ドルの借金を抱えていた。1番長く続いた仕事も1年もっていない。
そんなリサが、34歳になったとき、
細身で生気にあふれ、引き締まった筋肉を持った女性に変身した。
いまでは借金もなく、酒も飲まず、仕事も長続きしている。
きっかけは離婚したことだった。
「他の女性を好きになったので家を出て行く」と言って元夫は出て行った。
そして、リサはエジプトへ傷心旅行する。
エジプトのカイロのホテルでリサは泣き崩れた。
「まるで悲しみが波のように押し寄せてきて、それに飲み込まれるようでした。
自分の望んでいたことがすべて消え失せた気分でした」
リサは、そう話す。
翌日、リサは広大な砂漠へスフィンクスやピラミッドを見物に行く。
その雄大な景色を眺めているうちに、自分をあわれむ気持ちはどこかへ消えていた。
そして、人生には目標が必要だと思った。
そこでリサはタクシーのなかで決意した。
「いつかまたエジプトに戻ってきて、この砂漠を横断しよう!」
そして、日々の行動目標としてターゲットを決めたのが禁煙だった。
リサはタバコをやめてジョギングをはじめた。
すると、働き方、睡眠、貯金のしかたも変わり、仕事のスケジュールも立てるようになった。
走る距離も伸びて、ハーフマラソンからフルマラソンを走るようになった。
大学へ戻り、家を買い、婚約もした。
研究者がリサの脳を調べたところ、リサの習慣が変わったことで脳も変わっていたことがわかった。
リサが「喫煙」という1つの習慣を変えることに専念したためだと分析している。
つまり、キーストーン・ハビットに狙いを定めることで、
他の行動もプログラムしなおすことに成功したのだ。
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■組織を大きく変えるキーストーン・ハビット
アルコアは100年前にアルミの精錬法を開発して以来、世界屈指の大企業として君臨し続けてきた。
ところが1980年代になると、経営の失敗が相次ぎ、ライバル会社に顧客も利益も奪われていた。
そして1987年に新しいCEOが就任する。ポール・オニールである。
オニールは、就任あいさつで利益についてもコストカットについても、何も言わなかった。
「私はアルコアをアメリカ1安全な会社にするつもりです。目標は事故ゼロです」
とオニールは決意表明した。
オニールがスピーチを行って1年もたたないうちに、アルコアは記録的な利益をあげた。
年間収益はオニールがCEOに就任する前の5倍になり時価総額は270億ドルに達した。
株価も5倍になっていた。
オニールは、古い習慣に縛られ、官僚主義の横行する大企業を、
どうやって効率的に利益を生み出す企業に変えることができたのだろうか?
その答えは1つの習慣を変え、その変化が組織全体に広がって行くのを待ったことだ。
オニールはこう語る。
「アルコアを変えなければいけないことはわかっていた。
しかし、社員に変われと命令することはできない。命令して脳が変わるものではない。
だから、最初は目標を1つに絞ることにした。
ある1つのことに関わる習慣を壊せるようになれば、それが会社全体に広がるだろうと思ったんだ」
1つの習慣を変えれば、それが連鎖反応を起こして、他の習慣も変わっていくというのだ。
ただ、どの習慣にターゲットを絞るかは検討が必要だ。
アルコアの場合「職場の安全を守る」という方針に異議を唱える人間はいなかった。
組合も管理者も、反対する余地はなかった。
ポイントとなるのは、小さな勝利を積み重ねることだ。
コーネル大学の教授がこんなことを言っている。
「小さな勝利は、小さな強みを着実に積み重ねていく。
小さな成功を収めると、また別の小さな成功を得ようとする力が発動する」
アルコアのけが人が短期間に激減した。
そのときオニールは全社員にこんな言葉を回覧した。
「ほんの2週間であっても、事故の数が減少したことを祝福したい。
私たちが、祝うのは、誰もがルールに従っているからでも、数字が減少したからでもない。
私たちが祝っているのは、社員の命が守られているからだ」
社員の安全を守ることに集中するというオニールの宣言からはじまった小さな勝利の積み重ねが、
あらゆるアイデアを生み出す社風を生み出したのである。
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■悪習慣を捨てるための5つのステップ
□ステップ1/ルーティンを特定する。
毎日、午後になるとカフェテリアに行って
チョコチップクッキーを買って食べるという悪習慣があると肥満で悩むことになる。
この悪習慣を変えるにはどうすればいいのか?
すべての習慣の核には3つのパーツがある。
「きっかけ」「ルーティン」「報酬」である。それらを特定しはっきりさせることだ。
午後になるとカフェテリアに行ってチョコチップクッキーを食べる習慣の
「きっかけ」は、空腹、退屈、低血糖、あるいは休憩したいという欲求かもしれない。
「ルーティン」は、カフェテリアに行ってチョコチップクッキーを食べてしまうことだ。
「報酬」は、クッキーそのものか、気分転換か、息抜きかもしれない。
あるいは同僚とおしゃべりすることかもしれない。もしかすると、糖分でのエネルギー補給かもしれない。
□ステップ2/報酬を変えてみる。
報酬を変えてみると見えてくるものがある。
それは、どのような欲求が悪習慣にあなたを駆り立てているのかが明確になる。
クッキーが欲しいのか? それとも休憩したいのか?
あなたが本当に欲しているのは何かを突き止めることが目的だ。
□ステップ3/きっかけを見つける。
習慣を起こす「きっかけ」は、ほぼすべて、次の5つのカテゴリーのどれかであることが実験で明らかになっている。
(1) 場所
(2) 時間
(3) 心理状態
(4) 自分以外の人物
(5) 直前の行動
悪習慣の「きっかけ」を知りたければ、その衝動が起こったときに、
このリストにそって5つのことを書き留めていけばいい。
これをしていくと、チョコチップを食べてしまうのは、空腹でもなんでもない、
ただ、仕事を忘れたいだけだったということがわかってきたりする。
□ステップ4/計画を立てる。
自分の習慣のループがわかったら、あとは計画を立てればいい。
「きっかけ」は時間だったとする。
ある決まった時間になるとカフェテリアに行きたくなる。
しかし、本当に求めているものはチョコチップクッキーではなく、仕事を忘れることだった。
ならば、チョコチップクッキーを食べること以外で、仕事を忘れられる行動を考えてみればいい。
たとえば、同僚とおしゃべりするとか、好きな音楽を聴くとか、ルーティンを変えるのだ。
そのような計画を立てる必要がある。
□ステップ5/実行し検証し改善する。
計画を実行してみて、うまくいかないことがあるかもしれない。
そのときは、理由を検証し、改善すればいい。そして、また実行する。
いわゆるPDCAサイクルだ。
これを繰り返しているうちに「良い習慣」が身についていく。
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■まとめ
人間の行動の4割は「習慣」でできている。
「良い習慣」を増やし「悪い習慣」を減らせば、人生は知らず知らずのうちに好転する。
お金持ちになるか、貧乏街道を歩き続けるのかは、ここにかかっている。
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