こんな悩み相談を受けました。
人生を変えようとするとブレーキがかかってしまうという、
キャリア女子からのお便りです。
【悩み】
■生き方を変えようとすると不安や恐怖を感じるんです!
「何か新しいことをやろうとすると、いつも不安や恐怖を覚えます。
私は、転職したいと、友人たちに常々言っていますが、
いざやろうとすると、不安になったり、怖くなったりして、1歩も前に進めません。
やる気が起こらないんです。
転職サイトを検索して、どんな仕事があるのかを見たりしますが、
エントリーシートに書き込む段になると、面倒臭くなって、すぐに辞めてしまいます。
いまの会社の上司に辞表を出すときのことを考えただけでも憂鬱になります。
不安とか恐怖とかとは、また違うかもしれないのですが、気が重いんです。
どうすればいいでしょうか?」
【答え】
■傷ついたインナーチャイルドは両極を行ったり来たりする
傷ついたインナーチャイルドは、2つの両極端な恐怖をいったりきたりします。
それは「見捨てられる恐怖」と「支配される恐怖」です。
ある人は、独りぼっちになる恐怖から、極端に結びつきを大事にしようとします。
その結びつきが破滅的なものであったとしても、絶対に離れようとしないのです。
これは「見捨てられる恐怖」によるものです。
また、ある人は、他人に支配されたり、命令されたりすることを極端に嫌い、孤立してしまいます。
潜在意識の底には「支配される恐怖」があるのです。
普通の人々にも多少の恐怖はありますが、極端に傾かないものです。
しかし、傷ついたインナーチャイルドは、しばしばこの2つの恐怖の両極端な側面をあらわしてしまうことがあります。
つまり、両極を行ったり来たりするのです。
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■激しく恋に落ちる30代キャリア女子
30代キャリア女子の美菜子さん(仮名)は、激しく恋に落ちる人でした。
いったん親密な関係になると、急に距離を置きたくなるのです。
相手の男性の「あそこが悪い」「ここが悪い」と批判するようになります。
小さな口論を恋人とはじめてしまうのです。
男性のほうが引きさがり、謝ります。
しかし、美菜子さんは2~3日間は不機嫌なのです。
ドラマチックな演出で男性が仲直りの舞台を設定してくれると、美菜子さんの機嫌は直ります。
そして、情熱的なセックスをし、激しく愛し合うのです。
2人の関係は、美菜子さんの批判の虫が出てくるまで続きます。
そして、また口論となり、激しく仲直りをするのです。
男性は疲れてしまい、美菜子さんと別れてしまいます。
美菜子さんは新しい恋人を探し、そして、見つけます。
美菜子さんは、その繰り返しの恋愛をしているのです。
つまり、相手の男性と距離を置く時期と、強烈に結びつこうとする時期とをいったりきたりします。
この美菜子さんも、「見捨てられる恐怖」と「支配される恐怖」の両極を繰り返すわけです。
■20年近く恋愛していない女性の深層心理とは?
亜以子さん(仮名)は、39歳です。
亜以子さんは、20年近く恋愛をしていません。
18歳のときにわずか3ヶ月間だけ交際した男性にひどく捨てられた経験があります。
そのときの経験が強烈に亜以子さんの記憶に残りました。
以後、亜以子さんは二度と男性とは交際しないと誓ったのです。
亜以子さんをヒプノセラピーしてみると、幼児期に父親から殴られた記憶が出てきました。
たった一度の暴力ですが、それが亜以子さんの潜在意識に強烈に刻み込まれていたようです。
それで、亜以子さんは傷ついたインナーチャイルドの周りを鉄の壁で囲みました。
生まれてはじめて感じる恐怖は衝撃的です。
心を閉ざして壁を作らなければ怖くて怖くて生きていけなくなります。
壁で囲むのは本人を守るためでもあるのです。
父親に見捨てられるという恐怖、父親に支配されるという恐怖が同時に、
父親の暴力によって亜以子さんの潜在意識にインプットされてしまいました。
誰とも親しくならないために、18歳のときの男に捨てられた経験を大きくな傷としてとらえることにしたのです。
以後、どんなに素敵な男性があらわれても亜以子さんは、心を開くことはありませんでした。
亜以子さんのケースも「見捨てられる恐怖」と「支配される恐怖」が見え隠れしています。
この2つの恐怖を二度と味わいたくないから、20年近く恋をしていないのです。
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■親の作ったシナリオ通りに生きてきた人たち!
傷ついたままのインナーチャイルドが人間同士の親密な関係を汚染します。
なぜならば、本人が本当の自己を見失っているからです。
親が、子どもの感情や欲求や欲望を認めて受け入れるということができないと、子どもは本当の自己を拒絶します。
そして、偽りの自己を作り上げてしまうのです。
子どもは、自分が親から愛されていると信じたいのです。
親に愛されていると信じるために、親が思い描く理想の子どもになろうとします。
たとえば、親から愛されるために必死で勉強し、優等生役を演じるのです。
この偽りの自己は、年をかさねるごとに強化され、いつの間にか、この偽りの自己が自分自身であると思い込むようになります。
さらに、親が理想としているシナリオにもとづいて自分が行動しているということを忘れてしまうのです。
そうやって大人になった人は、他人と親密な関係になることはできません。
自分の本当の姿を知らない人だからです。
■自我境界がアナタを守っている!
自分が誰であるかを知っている人は「見捨てられること」にも、「支配されること」にも恐怖を感じません。
強固な自我境界を持っているからです。
強固な自我境界とは国境のようなものです。
心理的、物理的境界は、私たちの身を守り、誰かが近づき過ぎるときや、不適切なやり方で接触しようとするときに合図を送ります。
この強固な自我境界がないと、私たちは自分と他人の境界を見分けることが出来ません。
そうなると、親密な関係を確立するのに決定的な行動である「いいえ」という能力がなかったり、自分のしたいことがわからなかったりします。
「私、自分のやりたいことがわからないんです」
という人は、一度、親の望むシナリオ通りに自分が生きてこなかったかどうか、チェックしてみてください。
もし自分がそうかもしれないと思ったら、一刻も早く親の作ったシナリオを手放しましょう。
そして、自分の人生を自分の頭で考えて生きるのです。
本当の自分を取り戻し、「あなたらしい」生き方をしてください。
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