『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)
成功哲学の古典になりつつある名著です。
1996年に出版されいまだに売れ続けていて、
マンガバージョンも出ています。
成功者はなぜ成功したのかを研究した
コヴィー博士の集大成ともいえる本です。
成功者は成功する前から
この7つの習慣で生きていたことを明らかにしています。
●第1の習慣/主体性を発揮する。
主体的なアプローチとは、
インサイド・アウトへ(内から外へ)変わることです。
人はどうしても、
自分の境遇を嘆くだけで、
その現状を変えようとしません。
変えるとしても、
外側から変えようとします。
つまり、
アウトサイド・インです。
問題は自分の外にあるのではなく、
実は内側にあるのだという
パラダイムシフトを起こすことが、
主体性を発揮することにつながります。
私たちは自分の行動に責任を取り、
外からの刺激に対して、
どのような反応を示すかを、
主体的に選択することができるのです。
そのことで、
自分の人生を自分でコントロールできるようになり、
周囲の状況を大きく変えることができます。
●第2の習慣/目的を持って始める。
コヴィー博士は、
個人的なミッション・ステートメントを書くように進めています。
人生のミッションを短い言葉にして、
メモに書いておくことです。
個人のミッション・ステートメントは、
個人の憲法といえます。
個人のミッション・ステートメントが
正しい原則に基づいていれば、
個人にも揺るぎない方向性が与えられます。
人生の重要な決断を行う基礎となりますし、
激しく変わる環境のなかにあって、
個人に不変の安定性を与えてくれるのです。
●第3の習慣/重要事項を優先する
他の人に仕事を任せることを、
デレゲーションと言います。
完全なデレゲーションは、
手段ではなく結果に焦点を合わせています。
手段を選択する自由を与えて、
結果に責任を持たせるのです。
1)望む結果
出すべき結果について明確な相互理解を得る。
2)ガイドライン
結果を出すにあたり守らなければいけないルールを明確にする。
3)使える資源
目的を達成するために使われる
人的、金銭的、技術的、組織的な資源の範囲を明確にする。
4)責任に対する報告
評価の基準を設定し、
評価する人は誰なのか、
報告と評価が具体的にいつ行われるのかを明確にする。
5)履行の結果
評価の結果どうなるか、
賞罰を設定する。
デレゲーションを成功させるカギは、
「緊急性」ではなく「重要性」のレンズを通して
物事を見る力を身につけることにあります。
●第4の習慣/Win-Winを考える
本書は出版されてから、
世間では「Win-Win」という言葉が流行しました。
それほどインパクトのあった価値観です。
Win-Winの原則は、
すべての対人関係において成功するための基礎です。
Win-Win原則は、
次の5つの柱によって支えられています。
1)Win-Winの人格
2)Win-Winの関係
3)Win-Winの合意
4)Win-Winのシステム
5)Win-Winのプロセス
●第5の習慣/理解してから理解される
人間関係で最も重要な教訓は、
「まず相手を理解するように努め、
その後で、
自分を理解してもらうようにしなさい」
です。
この原則が、
人間関係における効果的なコミュニケーションのカギなのです。
●第6の習慣/相乗効果を発揮する
相乗効果とは、
全体の合計が各部分の和よりも大きくなるということです。
相乗効果を生み出すには、
コミュニケーションが大切になってきます。
防衛的なコミュニケーションしかできない相手とは、
Win-Lose あるいは Lose-Winの関係しか築けません。
正直で誠意にあふれ、
尊敬し合える関係になったとき、
低次元ですが、
Win-Winの関係が出来上がります。
ただ、
尊敬的なコミュニケーションでは、
新しい創造的な可能性を実現することはできません。
高い信頼に基づいて築かれた人間関係にこそ、
相乗効果は発揮されるのです。
相乗効果の本質は、
相違点、
つまり情緒的、心理的な相違点を尊ぶことです。
●第7の習慣/刃を研ぐ
切れないノコギリでいくら一生懸命に木を切ろうとしても
なかなか切ることはできません。
かえってケガをしてしまうでしょう。
ですから、
そんなときは、
木を倒す作業を休んで、
刃を研ぐことです。
自分自身という最も大切な資源を維持することであり、
自分のなかにある自然から授かった4つの側面を
再新再生させることです。
4つの側面とは、
1)肉体的側面
2)精神的側面
3)知的側面
4)社会・情緒的側面
たしかに、
この本は凄いですねぇ。
今回、
読み返してみて、
改めて実感しました。
10年経過しても、
ちっとも古くならない、
しかも、
何度読み返しても、
感動を持って迫ってくるのです。
(高橋フミアキ)