『いまを生きる言葉「森のイスキア」より』(佐藤初女)
佐藤初女さんの優しいまなざしが、
何ともいえず、
心を癒してくれます。
初女さんは青森県の岩木山麓に「森のイスキア」という場所を作りました。
この場所には心が傷ついた人たちが訪れるのです。
初女さんはそこで、
お説教をするでもなく、
セラピーをするでもなく、
ただ隣に坐って黙っているだけ。
そして、
心からの「おむすび」を作るのです。
傷ついた人たちが、
このおむすびを食べて涙を流すそうです。
いわば「いのちのおむすび」です。
本書にはこの「いのちのおむすび」の
つくり方が、
初女さんの写真とともに紹介されています。
おむすびだけじゃなくて、
季節の野菜をふんだんに使った手料理を
食べてもらいます。
本書にはその手料理のレシピも載っています。
1)フキノトウの味噌・たまごとじ
2)菜の花とジャガイモののサラダ
3)ちらしずし
4)お赤飯
5)フキの葉の佃煮
もちろん、
本書のメインはレシピではありません。
題名の通り、
「いまを生きる言葉」として、
初女さんの言葉が紹介されているのです。
たとえば、
こんな言葉が印象に残りました。
「母性愛とは、
言葉を替えれば、
受け入れるということ」
「今の世の中に足りないのは、
あるがままの自分を
受け入れてくれる場所」
「不自由な生き方をしていると、
今ここにたくさんある幸せの種を
見つけられなくなります」
「困難のなかにある時こそ、
人は自分の生き方を
見つめなおさなくてはならないのです」
「出会いには人生を変える力があり、
今までのすべての出会いが、
私のこころに深いモノを残してくれています」
胸にズシリとくる素敵な言葉たちですよね。
(高橋フミアキ)