「摂食障害は治る病気ですが、放っておいて治る病気でもありません」
と精神科専門医の水島広子先生は著書『「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』のなかで言っています。
食事ができない「拒食症」と、食べ過ぎてしまう「過食症」を総じて摂食障害といいます。
「拒食」だけの人や「過食」だけの人は比較的早く治りますが、「拒食」と「過食」の要素を両方持っている人は、治るのにそれだけ時間がかかるそうです。
重篤な場合は、専門医に相談することをおススメします。
まだ、それほどでもない、という人は、水島広子先生は著書『「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』の内容が役立つかもしれません。
そのなかから、摂食障害の対処法をご紹介します。
「拒食症」と「過食症」では対処法も異なりますので、2つの場合を分けてお話しします。
※詳しく知りたい方は、水島広子先生は著書『「拒食症」「過食症」の正しい治し方と知識』をお読みください。
■対処法1/「安心」を第一の目標にする
「拒食」は、不安の病気であり、不安を和らげていくことがそのまま病気の治療につながっていきます。
体重を増加させて栄養状態を改善させるには、少しずつ食べるものを増やしていくという行動変化も必要ですが、それは安心という土台がなければいけません。
安心しなければ食べられないのです。
周囲が「もっと食べなさい」というとよけいに不安になってしまいます。
とにかく、安心することです。
■対処法2/自分がなぜ「拒食症」になったのかを知る
安心のために重要なのが、病気について正しく知ることです。
「拒食」の人は、それまでのやり方が通用しなくなって、遭難したような不安のなかにいます。
すべてがわからなくなっていて、それがますます不安を募らせるのです。
「拒食」が発症するきっかけは比較的共通しています。
それまでのやり方が通用しないような状況に直面してしばらくたって発症するということが多いようです。
イジメにあったとか、環境がガラリと変わったとか、人間関係が急におかしくなったとか、そういうときです。
「それまでのやり方が通用しないような状況」がどこかになかったかどうか、探してみてください。
■対処法3/「拒食」を治すために必要なことを知る
それまでのやり方が通用しなくなって発症する病気ですから、それを治すためには、新たなやり方を身に付ける必要があります。
たとえば、「自分ひとりだけの努力で達成していたやり方」から「人に相談したり助けてもらったりしながら実現するというやり方」に変えてみることです。
大人になって社会に出ると、1人だけの努力で達成できることは、案外少ないものです。
誰かの力を借りることを考えてみましょう。
■対処法1/「過食」のエネルギーを作り出すものを知る
「過食」は、ストレスにゆきづまったときに出てくるものです。
そのときの気持ちは、「怒り」「罪悪感」「自責感」「不安」などです。
これらのネガティブな気持ちが「モヤモヤとした」気持ちとして胸にたまっているときに、それを何とかしようとして起こってくるのが過食の症状です。
こうしたことを、人に話したとしても、1人で考えたとしても、この「モヤモヤとした」気持ちは強まっていきます。
■対処法2/自分を責めるのを辞める
食べることは当たり前の本能です。
人間は食べなければ死んでしまいますので、ある意味、自己防衛反応だといえます。
しかし、それを「また食べてしまった、私はダメな女だ」と自分を責めてしまうと、自責感につながり「過食」のエネルギーになってしまいます。
「過食」は、自分を嫌いだと思う気持ちが蓄積したところに起こってきます。
そして、「過食」がひとたび発症すると「過食をやめられない自分」をますます嫌いになるということになっていくのです。
ここで重要なことは、過食について自分を責めないということです。
■対処法3/ストレスの根本原因を見つける
静かな気持ちで、自分に聞いてみましょう。
過食を生み出すストレスの根本の原因は何かを探ってみましょう。
「怒り」「罪悪感」「自責感」「不安」が自分のなかにあることを認め、それがどこから来るのかを探ってみます。
それがストレスの原因です。
意外なことが原因となっているかもしれません。
その原因を解決するために過食になっているわけですが、食べること以外の別の方法で解決することを考えてみてください。
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