■文章テクニック16/慣用句は使わない
【命に換える】 死ぬ覚悟で事に当たる。
【身の毛がよだつ】 寒さ・恐怖あるいは異常な緊張のため、
体中の毛が逆立つ。ぞっとする。
【腹がよじれる】 あまりのおかしさに大笑いするさま。
慣用句は心情や状況を示すのに便利です。
誰にでも共通した意味を伝えられる、わかりやすい言葉です。
しかし、わかりやすいからといって、多用することは避けた方がいいでしょう。
なぜなら、作者が「自分の言葉で伝えていない」と思われてしまうからです。
昔から使われている慣用句を使うと、どこからか借りてきた意見という印象を与えかねません。
昔からある慣用句は、すでに使い古されているのです。
まったく使わない方がいいとは言いません。
なるべくなら使わない方がいいですよ、ということです。
もし、慣用句を使ってしまったら、自分の言葉で表現しなおしてみるといいでしょう。
【命に換えても】→「たとえ死が待ちかまえていようとも」
【身の毛がよだつ】→「抱えた体が自分のものとは思えないほど」
【腹がよじれる】→「肋骨がきしむほど」