『原因と結果の法則』(ジェームス・アレン)
英国の哲学者ジェームス・アレンが本書を著したのは1902年のことです。
100年以上も前の本が、
いまだに売れています。
ナポレオン・ヒルも、
デール・カーネギーも、
オグ・マンディーノも、
現代成功哲学の有名人たちが、
もっとも影響を受けた書だというのが、
この『原因と結果の法則』です。
すべての結果には必ず原因があります。
その根本原因を変えない限り、
現実の結果は変わらないのです。
その原因とは、
外にあるのではなく内にあります。
そうです。
あなたの考えが、すべての原因です。
どのような考えを選んでいるのかというのが、
あなたの人生を決定づけます。
肉体は心の召使いです。
心のなかでめぐらされる思いに、
肉体は常に従っています。
意識的に選ばれる思いであろうと、
反射的にめぐらされる思いであろうと、
まったく関係なしです。
肉体は暗くけがれた思いにつき従い、
病気や衰退へと沈んでいきます。
また、
楽しく美しい思いにつきしたがい、
健康と若さの衣を身にまとうこともします。
もしあなたが自分の肉体を健康的なものにしたいのであれば、
自分の心を守ることです。
肉体を再生したいのであれば、
心を美しくすることです。
悪意、羨望、怒り、不安、失望は、
肉体から健康と美しさを奪い去ります。
憂鬱な顔は偶然の産物ではありません。
それは憂鬱な心によって創られます。
醜い皺は、
愚かな思い、
理性を欠いた思い、
高慢な思いによって刻まれます。
人間は穏やかになればなるほど、
より大きな成功、
より大きな影響力、
より大きな権威を手にすることができます。
ごく一般の商人でさえ、
より確かな自己コントロール能力と穏やかさを身につけることで、
より大きな繁栄を果たせるようになります。
なぜなら人々はつねに、
冷静で穏やかにふるまう人間との関わりを好むものだからです。
雨が降ろうと晴れようと、
その他、
いかなる変化に直面しようと、
そんなこととは無関係に、
つねに柔和であり、静かであり、穏やかな人、
そのような「心の平和」との呼ばれる、
このうえなく貴重な人格的要素を身につけることは、
私たち1人1人の究極的な目標です。
人類はいまなお、
コントロールされることのない悲しみのなかで取り乱し、
不安や疑いの風に吹き飛ばされ続けています。
心のなかの風や嵐を見事に従えて生きているのは、
自分の思いの浄化とコントロールを成し遂げている、
ほんの少しの、
真に賢い人たちだけです。
自己コントロールは強さです。
正しい思いは熟練技能です。
そして穏やかさはパワーです。
100ページもない短い本ですが、
珠玉の言葉があふれています。
何度も読み返したくなる名著です。
(高橋フミアキ)