『仕事・人間関係 「もう、限界! 」と思ったとき読む本』
(石原加受子)
目次
序章:「自分中心」で生きる
1.「今」の感情、大切にしていますか
2.「したくないこと」に気づくことがラクになる第一歩
3.相手が思い通りにしてくれなかったというのは「他者中心」
第一章 争わないほうが望みは叶う
4.近しい間で争うのは「仕返しごっこ」をしている
5 .人は言い争いに勝っても満たされない
6.マイナスの関わり方で関係を結んでいないか
7.争いのリングから退場する
8.必死になって伝えるときはもともと伝わらないとわかっている
9.怒鳴って言う人は臆病である
10.人に寄り添う言葉を言えないときは、争っている証拠
11.戦う人には白か黒かしかない
第二章:人間関係がラクになる考え方
12.自分が「ラク」と感じる距離をとればいい
13.「でも」という言葉の不安
14.「ああ、そうなんだ」だけど幸せになれる
15.相手の言葉にすぐに反応しない
16.尽くす人はどんなに頑張っても満たされない
17.プラスの充実感、マイナスの充実感どちらで人生を満たすか
18.「断れない私」 と「強引な相手」とは、磁石のように引き合う
19.誤解を解くときは、しつこくしない
20.面倒なことを言ってくる人は自分の「鏡」
21.嫌いな人を分析するのは逆効果
第三章:仕事がうまくいく方法
22.金持ち資質が高い人、低い人
23.「使ってしまったな」と認めるだけでいい
24.あなたの「熱中度」によって稼ぐ額が決まる
25.成功する人はどこを見ているか
26.「分割して見る」ことで、嫌いな人と離れられる
27.仕事n集中できる人は人間関係のシコリをなくしている
28.「どうにも嫌だ」と感じたら、その感情を信じていい
29.「レールから外れると落伍者になる」という不安があるあなたへ
30.自分のミスをすんなり受け入れない人31.「仕事をバリバリやる」ことができないのは?
32.やる気が起きないのは、責任を過剰にとらえているから
33.「したくないから、しない」という願いを、部分的に叶えていく
34.転職を成功させるには「公平な目」を持つ
第四章:心をラクにしたいなら、自分を愛する
35.人から愛されても100%の満足はない
36.どちらがいいんだろうと迷ってしまうとき、どうすればいいか
37.自分の感情を認めるのは自分を愛すること
38.どんな状況にある自分も否定しない
39.感情は「情報」として捉えたほうが的確
40.感情を意識し始めると起こるよい兆候
41.苦しみからの抜け出し方
42.目の前にいる人に気づく
最初に理論の概要である自 分中心とはどういうことかその状態や理論を説明し。
どういう状態が理想なのかを反対の状態の争うことを例にだし、
争いが多い状態というのはその理想の状態にはほど遠くなるということを説明しています。
そしてどういう状態が理想なのかどうなることを目指せば良いかを説明しています。
その理想の状態に対して本書では人間関係と仕事にフォーカスして
この二つについてうまくいく方法を解説しています。
最後に自分の事を認め愛することが周りの環境も良くし良い人間関係をつくり
仕事においても良い方向につながっていくきっかけになるとしています。
全体を通して自分中心とは自分勝手ということではなく
自分を認めて自分を愛することから始まることであり、
自分を 愛することで他人を認めることができるようになり自分をとりまく環境も
変えることにつながるとしていうことです。
本書は他者依存の強い傾向にある人を対象に他者依存から自分中心への
上手なシフトの方法を解説し人間関係や仕事で悩んでいる人の助けになる良書です。
以下に各章の要点を簡単にですがあげていきたいと思います。
序章:自分中心とはどういうことか?
自分中心心理学とは自分勝手とは違い今この瞬間に感じている感情を大切にする事をいう。
どれだけ自分を基準にできるか自分を信じられるかが重要になります。
したくないことをやってしまっていることは「~すべきだ」「~しなければならない」と自分を縛っていることになる。
自分を縛るから他人にもそれを要求してしまう。自分の感情を優先することで他人も許せるようになる。
自分中心とは反対に他者中心とはどういうことかというと
相手の言葉言動、表情に過敏に反応する状態です。
これは相手を支配したりコントロールしようとすること。
相手を中心にするから不安定で難しい状態になる。
他者中心だと「支配・被支配」の関係になりお互いが依存しあう関係になり
これを「共依存」と言いお互いに傷つけあっていきます。
この対策としては本書でいう自分を心の基準の中心に置くということです。
そうすることで自 分の気持ちに気づくことができる。
自分の気持ちよさを実感出来るようになると
相手「に」愛を(私が)感じる気持ちよさ
相手「の」愛を(私が)感じる気持ちよさ
のようになっていき不幸の鎖が切れていくのです。
第一章:争わないほうが望みは叶う
戦わなければ望みは叶わないは思い込みです。
争わないほうが自分の望みが好ましい形で叶います。
争って勝たなければと思い込んでいる人は
争いあうことが目標になってしまっていることが多い。
それは争いとは勝ち負けを生み負ければ仕返しを考え
延々と傷つけあうだけで仕返しごっこが目的になっている事が多い
仕返しが悔しさになり悔しさを解消させないと
相手のことばかり気になります。
本当は 相手から離れたいのにどんどん近づいていってしまうという
悪循環に陥り状況を悪くしてしまいます。
又、人は言い争いに勝っても満足しません、
それは100%の満足は元々ありえないので
1%でも不満があるとその1%の不満を意識してしまい満足できません。
他の人と言い争うのではなく自分のことを見つめることで
自分に一生懸命になります。自分に一生懸命だから負けることがありません。
つまり争わないほうが望みが叶いやすく平穏に過ごせると言うことです。
次に人との関わりについてと争う人についての傾向を説明しています。
人とのかかわりにはマイナスとプラスの関わりがあります。
問題解決を目標とする関わり方をするとプラスに働き、
相手と関わること自 体が目標になっているとマイナスの働きになることが多いです。
自分の感情を基準にして判断することでプラスの関わりかマイナスの関わりかがわかります。
感情がマイナスだと自分で判断すれば自分を傷つけないために争いからはとっとと離れましょう。
必死に自分の主張を言うときはどこかで受け入れられないとわかっているとき、
お互いに傷つけあってしまうのでこのときは一旦距離をとって考えたほうがよい。
怒鳴る人は実は臆病な人が多いです。怒鳴ることでごまかしてることが多い。
人に同意できない時の理由として3つの理由があります。
1.屈服するのと同じと思っている
2.相手と仲良くする術をしたないのでどうして良いかわからない
3.相手との勝ち負けの意識が判 断基準なので自分の意思がない、自分で決められない。
怒鳴る人は実は人に依存していることが多く
戦う人は我は強くても非常に依存的で誰よりも見捨てられること孤独になることを恐れている。
戦う人には白か黒かしまなくこの思考は二極化しやすい。
こういう傾向から戦う人は成功より戦うこと自体が好きで
戦っている状態に充実感を覚えます。
だから自ら苦労や失敗を引き寄せていくので、
こういう人とは「明確な意思をもって臨み、マイナスと感じれば離れるべきです。」
第二章:人間関係がラクになる考え方
基本は自分の感覚を信じて自分がラクと感じる距離をとることです。
つまり自分の意思を優先する事と、能動的に行動することです。
否定的なイメージを感じ たときは一旦時間なり距離をおくことです。
「でも」を使うときは注意が必要で使わない方が良いです。
これを使うときは相手を不快にし自分も惨めになります。
それとは反対に「ああ、そうなんだ」と確認することで幸せになります。
争って勝とうとする意識と行為そのものが何らかの形で傷つき負けている状態と認識します。
負けた状態だと思ってしまうので勝とうとして悪循環に陥るのです。
会話についてもキャッチボールを意識すれば穏やかな雰囲気になります。
一方的に自分がなっても駄目ですし、
逆に一方的な人に対してもその人との付き合い方を考えましょう。
尽くすという行為も注意です。我慢して尽くすのであればやめるべきで
不幸中毒になっていきます。
我慢し て尽くしていると「こんなにやっているのに」と不満が増します。
その不満が増していくとその反動で「誰かが自分に尽くすのは当然」と
思うようになります。
この思いがもっともっととなると不満ながらも充実感を覚えます。
これが「マイナスの充実感」です。
これは刺激的でゆえに「不幸中毒」となっていきます。
愚痴をいったり、言い争うことの刺激がマイナスの充実感の正体です。
プラスの充実感はとても平穏でゆるやかです。
このマイナスの刺激的な充実感になれるとプラスの充実感はとても
なまぬるく居心地が悪いのです。
要は人生において、その充実感をマイナスでとるかプラスでとるかで
人生の幸福と不幸が分かれるということです。
大事なのは何よりも自分を大 切にする選択をすること。
自分を傷つける選択をしないこと。
自分が気持ちよく、堂々と「自己信頼の高い」感覚と表現方法が大事です。
人間関係は常に「関係性」で成り立っています。
一人の人間によってではなく、複数人やお互いの意識や行動が影響しあっています。
相手にばかり意識を向けてしまうとマイナスのほうに意識が強化されてしまいます。
つまり相手ばかりに焦点を当てても問題解決にはならないということです。
だから自分の感覚と意思を大事にすることが必要と言うことです。
第三章:仕事がうまくいく方法
この章では仕事についても説明されてますがそれ以上に
成功する為にはどういう考え方をすれば良いか、
又お金に対しての考え方や使い方や対応方法 等に重点を置いて説明しています。
まず大事なのはお金持ちになることを自分に許可する事です。
そうすると金持ち資質が高くなりお金が入ってくるようになるとのことです。
普通に人と成功する人の違いはたとえ衝動買いだとしても
お金を使ったときに後悔しないということです。
使ったことを「認める」ということで罪悪感が減り
自分の気持ちに素直になります。
そして衝動買いを認めることが自分の過去にしたすべてを認めることにも通じていきます。
金持ち資質が高い人は罪悪感から解放されて自分の行動を「心から認めることができる」ということです。
そしてその稼ぐ額についてはあなたの熱中度によって決まってきます。
稼ぎたい額を100%と設定してそれに対してどれ だけ熱中できるかということです。
ここからはより具体的にうまくいく人とそうでない人の違いを説明します。
成功する人とそうでない人はどこを見ているかについてです。
ここで大事なのは「目標」と「人」についてです。
うまくいく人は「目標・目的」に焦点を当てています。
逆にうまくいかない人は「人」に焦点が当たってしまっているということです。
目標や目的に焦点を当てるとその達成を考えます。
達成するために取り組みクリアしていき成長するわけです。
一方人に焦点を当ててしまうと勝ち負けにこだわったり、苦手意識などの
感情を抱えて行動するので上手くいかなかったり足元をすくわれたりします。
「成功する人としない人の決定的な違いはここにあるといえ るでしょう。」
この対策としてどうすればよいかですが「人」と「物事」を分けて考えることです。
そこで起こっている出来事にフォーカスすることで問題解決能力が育ちます。
いくら仕事に感情は関係ないと思っても人間は感情の生き物です。
何か引きずるものがあればマイナスに働きます。
その時は心の痛みを早く自覚し解消して手当てをしましょう。
ここで勘違いしやすいのが耐えて幸せになるは本当か?についてです。
現代においてまず大事なのは自分を守るということではないでしょうか。
耐えて幸せになった人がどれくらいいるのかを考えた時、
耐えることよりも離れる事のほうが強さであったりもします。
自分中心とは我慢しないことを理想とし自分が楽になる事、解 放、自由、満足を目指していきます。
自分中心にたつとあなたを高め、自己信頼を高めます。
ますは自分を守るスキルを身につける事が大事です。
人のしいたレールを生きるのではなく
自分が信じる「価値」の基準から好きな道を選び、自分の基準で動きましょう。
楽しみを追求していけばそれは形になり仕事にもなりお金にもなるとの事です。
バリバリ出来ないのは無意識のところで出来ないと思ってしまっているから。
それがまだ無理と知っているところがあります。
それは責任を過剰に捕らえてしまってるのかもしれません。
他人の責任や、全体の責任まで過剰に捕らえてしまい
動くことが出来なくなっていることがあります。
その時は「私は私の責任だけ果たす」と思えば楽 になります。
変に大きくとらえないで「自分の責任だけ果たそう」と決めれば
誰もあなたを強引に動かそうとはしません。
後もうひとつは「しなければならない」という思い込みが強いと動けなくなります。
自分の意思や感情を優先できない人ほど「責任を過剰に重くとらえている。」ことが多いです。
その対策はまずはラクになる言葉をつぶやくことです。
○「したくないからしない」「したかったらする」「するのも自由」「しないのも自由」
とつぶやきます。これで駄目な人は「したくないからしない」という願いを部分的にかなえていくことです。
自由な心を少しでも認められるようになっていくとそれに比例して責任を過剰に重くとらえる分量は減っていきます。
この章の最後に 転職について少し触れています。
転職で大事なのは公平な目を持つことということで、
否定的な見方だけでは駄目で客観的にマイナスな所とプラスな所を比較する
公平な目で見たときに自分の能力を活かせる職場を探すという目的を持った
転職であれば上手くいくに違いないということです。
第4章:心をラクにしたいなら、自分を愛する
この章では最後に自分の心について解説していきます。
愛してくれたら幸せになれると思っているのは勘違いです。
愛するというのはもともととても主観的なものです。
相手によりその感情はまちまちですし、
ひとから強制されて「心から」愛するのはそもそも困難です。
だから結局愛されたいのに一層「愛されない」状態が起こります。
そこで大事なのが自分の気持ちに焦点を当てる事です。
他社中心だと愛してもらうことが目標になり相手が中心なので
心は不安定になり感情も安定しません。
そのうえ行動するたびに、自己評価が低くなっていきます。
反対に自分中心になって自分の気持ちに焦点を当てると、
「私が行動すること」が「私を愛する」ことにつながり、
行動するたびにプラスの経験を積み重ね
自己信頼も高くなっていきます。
このように「私を愛する行動」をとると、
結果として人と愛し合うことになり、
「私を愛して満足。相手を愛して満足、相手に愛されて満足」というように
喜びが何倍にも膨らんで正の循環が出来てきます。
ただここで注意が必要なのは
自分を受け入れるにも自分の感情がわか らない人が多いことです。
自分の感情を認めることで心が楽になりプラスの気持ちで満たされます。
自分で自分を愛することが出来た瞬間にこういう状態になります。
それにはどんな状態でも受け入れて否定しない、
それで終わりとすることでその後の行動が変わってきます。
感情を抑えたりコントロールしたりしないで
小さなうちに発散する小さな感情に気づいて
欲求や不満を出してあげるのです。
このように小さな感情を意識し始めるとそれまで感じないようにしていた
「痛み」を感じるようになります。
そえは今まで傷だらけだった化石のような感情が蘇り、
その過程で感情が乱れたりなぜか悲しくなったり心理的、
肉体的ドラブルが起こることがあります。
しかしこれは好転 反応のようなことのなので
生まれ変わってきているのだと思ってください。
最後に苦しみからの抜け出し方として少し厳しいことを説明しています。
それは愛情のない世界にいるかどうかは実は自分自身が決めているということです。
自分が動くことを決意すると人生は変わります。
これはあなた自身が決めることです。
自分では動こうとしないのに
「指図しないで」とか「わかってくれない」という人がいますが
こういう人のせいにして動こうとしない
そんな人を救うのは誰にも出来ません。
自分を救うことが出来るのは自分だけです。
感謝の気持ち、ささやかな心地よさ、
感動などのようにプラスの感情を感じることが
あなた自身を救うのです。
感謝や感動を感じる心が芽生えたとき 「もっと、私を大事にしよう」「二度と自分を犠牲にするような生き方はやめよう」
といった決断ができるようになります。
今を生き今を大事にすることで悩みから解放されていきます。
目の前にいる人を大事に出来ないから次から次に悩みが生じるのです。
目の前にいる人に「ありがとう」と言ってみる。
人間関係で言えることはただひとつです。
今目の前にいる人を大事にしましょうということです。
「今」を大事にして「ありがとう」
という気持ちを持つことができれば
その分だけ悩みも消えていくということです。
以上が.仕事人間関係「もう限界!」
と思ったら読む本の簡単な解説になります。
概要だけを簡単にまとめましたのでより具体的な方法を
知りたい方は本書を購 入してお読みください。
本当にタイトルのとおり仕事や人間関係に行き詰ったときの
助けになる方法が随所に解説してあり
とても勉強になる一冊でした。
売れているのも納得の一冊です。
僕が一番読んでて納得したのはどこかと言うと
愛されたいのに愛されないのはなぜかというところでした。
自分を愛することで結果として愛し合うことになるということ、
この点にはとても共感しそうかこういうことだったのかと納得しました。
これからは自分を愛することを中心にしていこうと
改めて考えさせられました。
その他にも人間関係や仕事のことなどヒントがたくさんある
とても充実した内容でしたので本当に仕事や人間関係で
悩んでいることがあるならば一度は読んで損はないと 思います。
以上で簡単ですが本書の書評とさせていただきます。
ありがとうございました、それでは又。
(文・西河)