■文章テクニック9/主語と述語を近づける
日本語は述語が最後にくるので、最後にならないと意味がわかりません。ですから、なるべく短文するとよいのだと私はいつも文章スクールで教えています。
長文をいつくかに分けて、短文にすると伝わる文章になるのです。短文といっても、どれくらいの長さが許されるのか? それを60文字と言っています。
ところが、60文字以内の文章でも、ちょっと伝わりにくい文章があります。たとえば、こんな文章です。
彼女は、駅伝の選手が沿道に設けられたコーナーでスポーツドリンクを受け取るときに転んでしまったのを見た。
いかがでしょうか? 文字数はちょうど51です。
しかし、ちょっと読みづらいし、伝わりづらい文です。
主語は「彼女のお姉さん」です。述語は「言った」となります。
そこで、この主語と述語を近づけてみましょう。そうするとわかりやすくなります。下記のように主語の位置を変えるだけで、伝わる文になることがあります。
駅伝の選手が、沿道に設けられたコーナーでスポーツドリンクを受け取るときに転んでしまったのを彼女は見た。
■修飾語と被修飾語を近づける
修飾語と被修飾語も離れていると伝わりづらい文になります。修飾語というのは、副詞や形容詞のような他の語を修飾する言葉にことをいいます。被修飾語とは、修飾される言葉のことです。
1)奇妙な少女の行動
2)少女の奇妙な行動
1の場合、奇妙なのは少女です。
2の場合、奇妙なのは行動です。
「奇妙な」という言葉が修飾語ですが、この言葉がいったいどの言葉を修飾しているかが問題となります。
誤読のおそれがあるので、修飾語と被修飾語は近づけるようにしてください。