トルストイは
1828年に伯爵家の4男として誕生します。
若い頃は潤沢な財産のおかげで、
モスクワとペテルブルグで放蕩生活を送っていたようです。
24歳のとき『幼年時代』が雑誌に発表され、
作家デビューします。
その後、
『戦争と平和』
『アンナ・カレーニナ』が大ヒットし
世界的な名声を手に入れます。
その頃から、
人生の無意味さに苦しみ、
自殺を考えるようになるのです。
そこで、
作家であることも、貴族であることも捨て、
原始キリスト教的な独自の教義をつくり、
その布教活動に努めるようになります。
いわゆる「トルストイの回心」です。
以後、暴力を否定し、
国家権力や教会も認めず、
額に汗する素朴な生活を送ります。
日露戦争やロシア革命を、
トルストイは、
非暴力の立場から激しく批判しました。
ガンジーとも文通しています。
ところが、
実際には家庭内では奥様ソフィアにいびられ続けるのです。
本の印税も地代も受け取ろうとしないトルストイと、
ソフィアは対立します。
(ちなみに、トルストイの妻、ソクラテスの妻、モーツァルトの妻を「世界三大悪妻」と言われています)
さらに、
トルストイは
召使いにかしずかれる贅沢な暮しを恥じ、
いたたまれなくなって家出します。
最後は
1910年に田舎の駅の待合室でたおれ、
肺炎で死ぬのです。
回心したトルストイが
常に言っていたことは、
「善をなせ、
人は人を幸せにするために生まれてきたのだから」
ということです。
財産を捨てて、
政府や教会を敵に回し、
人のために生きようとしたトルストイの人生を、
あなたはどう思いますか?
【心にしみる言葉】
「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。
他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ」
By トルストイ
(高橋フミアキ)