テンプレート8


 

 

 

(8)謎のテクニック2/ヒント

 ○○○○○○○○○○○○○○○(疑問の解説)

いったいこの○○○は、何でしょうか?  (疑問文)

 ひとつわかっていることがあります。

○○○○○○○○○○○○○○○(ヒント1)

 二つ目に気づいたことがあります。

○○○○○○○○○○○○○○○(ヒント2)

 三つ目にわかったことがあります。

○○○○○○○○○○○○○○○(ヒント3)

さて、この○○○は何でしょうか?

○○○○○○○○○○○○○○○(答え)

 

 

【文章例】

 

森のなかに可愛い建物があります。玄関に看板があるのですが、その看板に桜の枝が垂れ下がっていて、途中が見えなくなっています。

も・り・の

桜の葉が邪魔をして、その次がわかりません。

いったいこの建物はなんでしょうか?

ひとつわかっていることがあります。

看板の最後の言葉が見えました。

  ん

です。

 二つ目に気づいたことがあります。

玄関には食べ物のメニューもサンプルも何もありません。

 三つ目にわかったことがあります。

建物のなかはとっても静かなんです。

 さて、この建物は何でしょうか?

窓からなかを覗いてみると、本がいっぱい棚に並んでいます。あれれ、風が吹いて桜の枝が揺れました。看板の文字が見えました。『も・り・の・と・しょ・か・ん』なんだ、図書館だったのですね。(320w)

 
 
 
 
コメント: 26
  • #26

    星野ゆか (火曜日, 08 7月 2014 18:51)

    『わたしの正体』

    世界中のいたるところで、わたしの価値がめまぐるしく動いています。
    いったい、わたしの正体は何でしょうか?

    ひとつだけ、わかっていることがあります。
    わたしは物体がありませんが、ある機械をとおして価値を持ちます。
    国家という存在が消えた時、わたしの価値は消えます。

    二つ目に、気がついたことがあります。
    わたしの価値が上下するたびに、世界中の人々はわたしに注目します。
    というよりも、わたしに振り回されるといったほうがいいでしょう。
    何故なら、わたしの価値は世界に通用するからです。
    わたしの価値は著しく上下しますので、ある人は大金を手に入れますが、ある人は資産が減り、ある人は借金を背負うほどの悲惨な結果になります。
    特にリーマンショックでは、世界中の多くの人が痛手を負いました。

    三つ目に、分かったことがあります。
    海外旅行に行くとき、わたしの価値が重要視されます。
    わたしの価値を確認しないで海外旅行に行く人がいますが、その人は予想外の出費にみまわれるでしょう。

    さて、わたしの正体は何でしょう?
    分かった方も、ギブアップの方も、いらっしゃるでしょう。

    わたしの正体は・・・『為替』でした。

  • #25

    あいけん (月曜日, 07 7月 2014 22:36)

    『山下時計店』

     大通りから少し路地に入った商店街の一角に山下時計店があります。一見どこにでもある時計店のようですが、店に入るとその異様な光景に思わずゾッとしてしまいます。
     なんと店の壁にかかっている時計や、ショーケースに入った腕時計その全てが同じ時間を指していたのです。しかも秒針までもがぴったり同じなのです。どうやら店の中央でニヤつきながら作業をする店主の様子からして、店主がこの光景を作り出したようです。いったいどうやってこの光景を作り出したのでしょうか?
     ひとつわかっていることがあります。おおよそ1000個はあるであろうどの時計も秒針までぴったりと合わせる事は人間技では不可能だという事です。全ての時計を止めて、秒針まであわせてから1000個の時計を同時にスタートさせなければこんなにぴったりと合わせる事は出来ません。
     二つ目に気づいた事があります。店はそれなりにお客さんが来るという事です。相当な暇でもない限り、こんな事をやるのは無理です。1個ずつ1000個全てをあわせていったとしても途方もない時間がかかります。
     三つ目にわかった事があります。店主はダンボールから時計を取り出し、その時計と壁にかかった時計を交互に見つめながら何か手際よく作業しているという事です。
     さて、いったい店主はどうやってこの光景を作ったのでしょうか?
     店主の作業を覗いてみると、店主は壁にかかった時計の針と手に持っている時計の秒針をぴったりと合わせ、時計の針を動かし始めていました。
    「びっくりしたじゃろ? こうやって新しく入ってくる時計をコツコツと30年間あわせて来た結果この光景が出来たんじゃよ」店主はハッハッハと高らかに笑った。

  • #24

    浅加怜香 (水曜日, 02 7月 2014 06:47)

    『田舎町のオシャレな建物』

    田舎町にオシャレな建物ができたので
    行ってみると、看板はあるのですが、
    日が暮れてしまい辺りが暗くて文字が見えなくなっています。
    いったいこの建物はなんでしょうか?

    一つわかっていることがあります。
    看板の最後の言葉が見えました。「オ」です。

    二つ目に気づいてことがあります。
    建物の中から話し声が聞こえます。
    笑い声も聞こえてきますが、子どもの泣き声も聞こえてきます。

    三つ目にわかったことがあります。
    時々、ピカっと光ります。

    さて、この建物は何でしょうか?
    窓から中をこっそりのぞいて見ると、
    おめかししている人ばかりいるのです。
    着物姿の人、スーツ姿の人、ドレス姿の人もいます。

    「なんだろうなぁ~」
    と思っていたら、
    パッと照明が光りました。
    すると、光に照らされて看板の文字が見えました。
    「田舎町のフォトスタジオ」
    と読めました。
    どうやら、田舎町にあるオシャレな写真館だったのですね。

  • #23

    星野ゆか (火曜日, 01 7月 2014 02:42)

    『赤ちゃん』

    正志は、実家の物置部屋を掃除していた。
    本を整理していると、1枚の写真が出てきた。
    その写真は、神社で若くて美しい男女が赤ちゃんを抱いている。幸せそうな3人が印象的だ。
    この写真に写っている人はいったい、誰なのだろう?

    ひとつだけ、分かっていることがある。
    この写真に写っている若い男女は、正志の両親ではない。
    両親が若かったときの写真と比較したが、全然似ていないからだ。

    二つ目に、気が付いたことがある。
    日付が「1981.4.13」になっている。正志の誕生日は、1981年3月4日だ。
    写真の赤ちゃんは、正志だろうか?
    それとも、正志と同い年のいとこだろうか?

    三つ目に、分かったことがある。
    神社の境内に、赤い鈴が写っている。
    正志は小さい時に、赤い鈴がある神社で遊んだ記憶がある。
    神社は、祖父母の家の近くにあった。
    この写真に写っている人は誰だろう?見当もつかない。

    両親が何か知っていると思い正志は、お茶を飲んでいる両親に聞いた。
    「本を整理していたらこんな写真が出てきたよ。誰?僕が知らない人?」
    その写真を見た母は、湯のみを落とした。
    父は「百合子。正志も大人になったし、そろそろ話してもいいか?」と言った。
    母は黙ったまま涙ぐんでいる。

    正志が椅子に座ると父は、話し始めた。
    「正志。これから話すことは真実だ。写真に写っている人は、実は、正志と正志の本当のお父さんとお母さんだ。正志が産まれてから半年後、2人は交通事故で亡くなってしまった。写真に写っている男性は、百合子の弟だ。私と百合子はなかなか子どもができず、どうしても子供がほしかった。だから無理を言って、正志を引き取ったのだよ。」
    母は、泣きながら言った。
    「まー君がかわいくて、かわいくて、本当のことが言えなかったの。ごめんね・・・。」
    正志は写真を見つめて「道理で僕にそっくりだと思った。一目でいいから、本当のお父さんとお母さんに会いたかった。」とつぶやき、大粒の涙を流した。

  • #22

    関根 雅史 (筆名:石賀 次樹) (火曜日, 01 7月 2014 00:19)


    『篠笛 』

     毎日、夕方になると、土手で横笛を吹いている人がいます。
     それは若い男性です。
     いったいこの人の目的は、何でしょうか?

     ひとつわかっていることがあります。
     彼が笛を吹き始めたのは2週間ほど前からです。

     二つ目に気づいたことがあります。
     もう夏が目の前まで来ているということ。

     三つ目にわかったことがあります。
     彼の笛の音は、どこか人々の心をワクワクさせてくれます。

     さて、この男性の目的は何でしょうか?

     そうです。
     彼は夏祭りのお囃子の練習をしているのです。
     彼は念願かなって今年から
     篠笛の担当を任されることになりました。

  • #21

    山内たま (火曜日, 01 7月 2014 00:04)

    「森のなかで」
    鬱蒼とした森を抜けると開けたところに山小屋がありました。道に迷っていたので助けを求めたいのですが、山小屋の周辺は雑草が生い茂っています。誰か人はいるのでしょうか。
    ひとつわかっていることがあります。玄関らしきところに看板がでていて何か書いてあるようです。
    ふたつめに気がついたことがあります。この山小屋の周囲をぐるりと広くロープが張ってあり、所々やぶれています。
    みっつめにわかったことがあります。そのロープ周辺に朽ちた立て看板が折れていて「立ち入り禁止」と書いてあることです。
    この山小屋は何なのでしょうか?
    玄関前の看板に「クマ襲撃事件あり」とあり、壊れた玄関の薄暗い奥から低い唸り声がきこえてました。

  • #20

    翔一(篠木謙一) (月曜日, 30 6月 2014 23:34)

    「お宝?」

    祖父の家にある蔵の片づけを手伝いに来たら、掛け軸を一本見つけました。
    いったいこの掛け軸は何なのでしょう?
    ひとつわかっていることがあります。
    祖父は骨董品を集めるのが趣味で、蔵の中には趣味で買ったと思われる焼き物などがたくさんあります。
    二つ目に気付いたことがあります。
    掛け軸には四角い印鑑が押されています。しかし、印鑑の字体が崩れているため、何が書いてあるのかわかりません。
    3つ目にわかったことがあります。
    蔵の中には他にも掛け軸はあり、それらは箱にしまわれています。しかし、この掛け軸だけは箱に入れられてない状態で置いてありました。
    さて、この掛け軸は何なのでしょうか?
    思い切って祖父に聞いてみると、照れくさそうに答えました。
    「ああ、それはわしが若いころに賞をもらった作品だよ。捨てるのも惜しいから、とっておいたんだ」

  • #19

    dainosuque (月曜日, 30 6月 2014 23:15)

     日焼けした肌、茶色い長髪、白い歯、一見ホスト風の男性
    いったい彼の職業は、何でしょうか? 
     ひとつわかっていることがあります。
    彼は誰にでも愛を降り注いでいます。
     二つ目に気づいたことがあります。
    彼はその指テクで女性たちを魅了します。
     三つ目にわかったことがあります。
    彼はアコースティックギターを持ってます。
    さて、この彼の職業は何でしょうか?
    彼の職業はフォークシンガーでした。

  • #18

    夏来 みか(戸部みか) (月曜日, 30 6月 2014 22:19)

    オリオン輝く晩に(訂正)

    オリオン座の3つ星が、煌煌と輝く夜です。
    皆が寝静まっているのに、
    コンコンコンと窓を叩く音がします。
    いったいこの音は、何の音でしょうか?

    ひとつわかっている事があります。
    こっそりと忍び込むのではないので、
    泥棒さんでなさそうです。

    二つ目に気づいた事があります。
    窓のカーテンを少し開けて、
    のぞいてみると、
    大きな黒い長靴がみえます。
    二本足で立つ、人間のようです。

    三つ目にわかったことがあります。
    長靴のすこ〜し上を見ると、
    赤いズボンが見えました。

    さて、窓を叩くその人はだれでしょうか?

    カーテンをしっかりと開けて、その男性を見ました。
    あごには、たっぷりとした白いひげ。
    赤いジャケットに赤のパンツ。赤い帽子。
    な〜んだ。窓を叩くその人は、
    サンタクロース。だったのですね〜。

    今日は、クリスマス・イブ、でした。

  • #17

    夏来 みか(戸部みか) (月曜日, 30 6月 2014 22:02)

    オリオン輝く晩に

    オリオン座の3つ星が、煌煌と輝く夜です。
    皆が寝静まっているのに、
    コンコンコンと窓を叩く音がします。
    いったいこの音は、何の音でしょうか?

    ひとつわかっている事があります。
    こっそりと忍び込むのではないので、泥棒さんでなさそうです。

    二つ目に気づいた事があります。
    窓のカーテンを少し開けて、のぞいてみると、
    どうやら恰幅のいい男性のようです。

    三つ目にわかったことがあります。
    背中に、大きな大きな荷物を背負っているのです。

    さて、窓を叩くその人はだれでしょうか?

    カーテンをしっかりと開けて、その男性を見ました。
    あごには、たっぷりとした白いひげ。赤いジャケットに赤のパンツ。
    な〜んだ。窓を叩くその人は、
    サンタクロース。だったのですね〜。
    今日は、クリスマス・イブ、でした。

  • #16

    夏来 みか(戸部 みか) (日曜日, 29 6月 2014 21:21)

    「日曜日昼下がりの出来事」

    日曜日の昼の渋谷駅、スクランブル交差点です。

    沢山の人が、一眼レフカメラを手に、
    ビルだらけで、狭い空を眺めています。

    いったい皆は、何を見ているのでしょうか?

    ひとつわかっていることがあります。
    空を見ている人たちは、いろんな方向を眺めています。
    今、何かが飛んでいるのではなさそうです。

    二つ目に気づいたことがあります。
    スクランブル交差点のどこにも、
    上を見ている人がいるので、
    どこかひとつのビルのイベントではなさそうです。

    三つ目にわかったことがあります。
    空を見て止まる人を、押し分け押し分け、
    まったく興味を示さない人もいることです。

    さて、空には何が見えるのでしょうか?

    ビューンという轟音が聞こえてきたかと思ったら、
    あっというまに戦闘機が、6機。
    美しく整列し空を横切りました。
    な~んだ。
    ブルーインパルスのセレモニーだったのですね。

  • #15

    夏来 みか(戸部みか) (日曜日, 29 6月 2014 21:17)

    「朝の散歩」

    朝早五時近く町を歩いていたら、
    とてもいい香りがしてきました。

    何の香りでしょう?

    ひとつわかっていることがあります。
    この香りは、食べ物の香りではなさそうです。

    二つ目に気づいたことがあります。
    焼いたり、燃やしたりしている香りでもありません。

    三つ目にわかったことがあります。
    どうやら、あの、公園の中から香ってきているようです。

    公園の方へ、歩いて行ってみましょう。
    公園に入ると、そこには、一面の
    クチナシの花が咲いていました。

  • #14

    佐伯 悠河(小林亜紀) (日曜日, 29 6月 2014 20:32)

    「レインフォレスト」

    私は豪雨の中、道に迷ってこの場所に出てきました。
    いったいこの場所は、何でしょうか?
    ひとつわかっていることがあります。
    周囲はジャングルなのに、この一帯だけぽっかりと開けています。
    二つ目に気づいたことがあります。
    この一帯だけ、周囲よりずいぶんと低いのです。
    三つ目にわかったことがあります。
    どこか遠くから、低いうなり声のような音が聞こえてきます。
    さて、この場所は何でしょうか?
    考え込んでいた私は、ある事に気づいて、あわてて土手をよじ登って森の中に入りました。
    すると、さっきまで私のいた場所に、濁流が押し寄せてきました。まさに危機一髪です。
    そう、あの場所は、乾期に現れ、雨期には川底になってしまう場所だったんです。

  • #13

    岡田那津子(おかだなつこ) (日曜日, 29 6月 2014 13:30)

    「最後の贈り物」

    玲子は一人で引っ越しの準備をしていた時、机の引き出しに見たことのない小箱が残っているのを見つけました。
    どうしてこんなところに隠すように置いてあるのだろう?玲子は驚きました。

    ひとつわかっていることがあります。
    その箱は、丁寧にラッピングされ、上品なピンクのリボンがかけられてるので贈り物だということです。

    二つ目に気づいたことがあります。
    箱の下には、修の文字で「玲子へ」と書かれているカードがあるので、玲子宛ての贈り物だということです。

    三つ目にわかったことがあります。
    明日は玲子の誕生日。きっと修は誕生日プレゼントとして準備していたものだということです。

    玲子はそっとその箱を開いた後、あふれる涙をこらえることができずにそのまま泣き崩れてしまいました。

    箱の中身は、先週、暴走したバイクから玲子をかばって死んだ修が、玲子にサプライズで贈ろうとしていた「To Reiko From Osamu with Love」と彫刻された婚約指輪だったからです。

  • #12

    まりこ (日曜日, 29 6月 2014 09:28)

    ごめんなさい。1字入れてください。

    楽しそうに化粧を終えた母は、困惑するの方を向いてげらげら笑いだした。

    楽しそうに化粧を終えた母は、困惑するの私の方を向いてげらげら笑いだした。

  • #11

    まりこ (日曜日, 29 6月 2014 09:19)

    母の恋人

    電話に出た母の様子が少しおかしい。生き生きしてて声が若々しくなっている。それはいいことなのだけど・・・私たち娘は何度かこういう母を見たことがある。恋する母だ。
    昨日も一昨日も先週の週末も母は家にいなかった。いったい毎日どこへ出かけているというのか。

    母は55歳。愛情たっぷり人間だ。そのたっぷりの愛情は10年前に父が亡くなってからも姉と私を決して淋しがらせたりしなかった。しかし、たっぷりすぎる愛情は私たちをはらはらさせた。母は惚れっぽくお人好しなのだ。しかも私たちが結婚してしまった今は一人で住んでいる。淋しさから変な男に引っ掛かったりしていないだろうか。ともかく見に行こう。様子によっては姉の美沙とも相談しなくては。

    母は鏡に向かって化粧をしていた。
    「あら、おかあさん、出かけるの?」
    「ええ、そう、デートよ。」
    母は楽しそうに笑った。
    「え、新しい恋人?どんな人?」
    母は眉を描く手を止めて私のほうを向いた。そして一瞬、私の顔を凝視したが、また鏡を見て眉を描き始めた。その顔はとても楽しそうだ。
    「年下のイケメンよ。」
    「えっ、年下?」
    「ええ、年下。私のことをすっかり頼っているの。」
    「独身?」
    「「独身よ。でも彼と結婚する気はないわ。」
    「何で?」
    「何で、って悲しいことに結婚できない相手なのよ。」
    「ふーん、そうなの。で、お母さん、どれぐらいその人が好きなの?」
    「好きというより愛しているわ。深く愛しているわ。」
    「・・・で、向こうは?」
    「そうねぇ。私のことは3番目くらいに思っているのじゃないかしら?」
    「え、何それ!お母さん、騙されているんじゃない?」
    「騙されてなんかいないわよ。彼はとてもピュアなの。人を騙すなんて、あり得ない。」
    「そうなの・・・で、お母さん、その・・・」
    「何?」
    「あの、もう・・・あの、どこまで・・・」
    「ああ、肉体関係?ないわ。彼のおちんちんは触ったことあるし、いっしょにお風呂も入ったことあるけどね。」
    「・・・?」

    楽しそうに化粧を終えた母は、困惑するの方を向いてげらげら笑いだした。
    「新しい恋人って真一よ。まったく美沙も次の子供は早すぎるわよね。真一はまだ一歳半よ。今、美沙のつわりがひどいのよ。知らなかった?毎日行ってるのよ。家事と真一の面倒を見にね。男の子ってもう大変。でも可愛いわね。あんなに小さくてももう男の子なのね。さあ行かなきゃ。真一がばあばを待ってるわ。」

  • #10

    鵜養真彩巳 (土曜日, 28 6月 2014 10:28)

    「父の箱」

     亡くなった父の遺品を整理していた時のことである。金庫の一番下に不思議な箱があった。
    わかったことはひとつ。
    ずっしりした書類が入りそうな箱である。よく見ると和紙がきれいに貼られていた。
    (写真はちゃんとアルバムに張りつける人だったし、何がはいっているのかな?)
    二つ目に気付いたこと。
    金庫の中は、証券やら契約書、銀行の書類が几帳面にしまわれ、中身がどんなものかわかるようになっているのに、この箱には何も記されておらず、紐でしっかりと結ばれている。
    (まさか、浮気相手の手紙とか?)
    そして不意に思い出した。三つ目にわかったこと。
    「あ、そうだ!これって、うちらが父さんに作ってあげた箱だ!」
    父の日のお祝いに、姉妹で千代紙をちぎり、お菓子の箱に貼り付けて贈ったんだ。整理整頓の好きな父のために。
    私は紐をはさみで切り、箱を開けた。するとそこには、私達姉妹の小学1年生から高校3年生までの通信簿が入っていた。

    翌日私は妹に電話で話をし、ふたりで大笑いした。
    「嫌だわ、父さん!なんで通信簿を金庫なんかにしまうのよっ。」
    「開けたのが私でよかったねえ。こんなの他人に見られたくないわ。」
    父がなぜ私達の通信簿を金庫なんかにしまったのかは、さっぱり解らなかった。でもこの箱は生真面目な父さんらしい、最後のエピソードとなった。

  • #9

    山口倫可 (土曜日, 28 6月 2014 02:09)

    「原風景」


    まりこが小学校に上がるころ、おじいさんは亡くなりました。

    まりこは、おじいさんが大好きだったので、
    おじいさんの大切にしていた写真集を見てみたくなりました。

    開いてみると、どの写真もまりこが見たことがない風景でした。

    ひとつわかったことは、
    そこは、海のそばだということです。

    二つ目に気付いたことがあります。
    おじいさんの足元には、優しい波が打ち寄せていました。

    三つ目にわかったことがあります。
    その写真と同じ風景を、まりこは外国の古い映画で見たことがありました。

    いったい、この懐かしさを感じる風景はなんなの?
    まりこは惹かれ、若い頃のおじいさんの写真集を
    パラパラとめくっていきました。

    そのとき、ページの間から何かがハラリと落ちました。
    拾い上げると、50年前の日付の新聞記事でした。
    そこには、「世界から、砂浜が消える日」
    と書いてありました。

  • #8

    秋カスミ(佐藤亜矢子) (木曜日, 26 6月 2014 00:57)

    『秘伝のレシピ』

    亡くなった母の遺品を整理していたら、よれよれの紙に鉛筆で書かれた何やらレシピのようなものが出てきました。
    材料と作り方、ところどころ文字が見えるが、少し破れていたり・・・いったいこれは何のレシピでしょうか。

    ひとつわかっていることがあります。
    材料のところに、卵と書いてあるのが見えます。
    二つ目に気づいたことがあります。
    塩も醤油も使わないようです。
    三つ目にわかったことがあります。
    最後は冷蔵庫で冷やすみたいです。

    さてこのレシピは何でしょうか。
    破れた部分をつなぎあわせたら、ミヨちゃんの好物と書いてありました。
    私の大好物、プリンのレシピだったんです。
    この紙は、ほんのり甘い匂いとお母さんの温もりがありました。
    涙があふれてきました。

    今度は私が娘に作ってあげる番だね、お母さん。

  • #7

    高山雄大(髙荷一良) (水曜日, 25 6月 2014 20:08)

    #6のタイトル名
    「名コンビ」

  • #6

    高山雄大(髙荷一良) (水曜日, 25 6月 2014 20:01)

    「行ってきま~す」
    三郎は元気よく家を飛び出しました。傍らには相棒のタロウも一緒です。
    「三郎ちゃん、えらいねぇ。今からお使いかい?」
    隣のサクラさんが笑いながら声をかけてきました。
    「そうだよ。今日はボクの大好物をお母さんが作ってくれるんだ」
    タロウも三郎の足もとにじゃれついては飛び跳ねています。

    お店の前に来た三郎は、品物の名前を書いた紙を広げました。
    「あれぇ?」
    胸ポケットに入れていた紙が汗でぬれていました。
    に・ん
    文字がにじんでその次が読めません。いったい三郎は何を買ったらよいのでしょうか?

    ひとつわかっていることがあります。最後の文字はどうやら も です。

    二つ目に気づいたことがあります。真ん中に と の文字が見えます。2種類の品物ということなのでしょうか。

    三つ目にわかったことがあります。色とりどりの品物がたくさん並んでいるお店のようです。

    「タロウ、タロウ、どうしよう。何買ったらいいのかなぁ?」
    三郎はあっちこっちと歩き始めました。
    その姿を見ていたタロウは、ゆっくりと口を開き始めました。どうやらあくびのようです。
    「なんだよ、タロウは。ボクが困っているのに」
    タロウは三郎の顔を見ながらあくびを繰り返します。
    「そうか、わかったよ。歩いちゃダメってことなんだね」
    タロウはうれしそうに尻尾を立ててふりました。

    立ちどまった三郎は、今度は紙を透かしながら読んでみました。
    すると、お母さんが書いた文字が浮かび上がってきました。
    『に・ん・じ・ん・と・ジ・ャ・ガ・イ・モ』
    「そうだ、今日はボクの大好物、カレーライスの材料を買うんだった」
    三郎はタロウの頭をなでて八百屋さんに向かったのでした。

  • #5

    林夏子 (月曜日, 23 6月 2014 21:19)


    「駅」

    私の乗っている電車がどこかの駅に着いたようです。
    いったいこの駅は、何駅でしょうか? 

    ひとつわかっていることがあります。
    電車は銀色の車体にオレンジ色の線。
    東京の中央線快速の停車駅のようです。

    二つ目に気づいたことがあります。
    駅名の看板の前に大きな荷物を抱えたおばさんが立っていてほとんど隠れてしまっていますが、最後の文字は「の」です。

    三つ目にわかったことがあります。
    窓の外に白色の三角の積み木を組み合わせたような建物が見えます。
    あ、あれは中野サンプラザですね。

    さて、この駅は何駅でしょうか?
    もうお分かりになったでしょう。ここは中野駅でした。

  • #4

    敷布団 (木曜日, 19 6月 2014 21:52)

    『サンタクロースの重圧』

    「サンタさんなんて信じないよ!」
     息子のこの言葉を聞いて、ついにこの日がきてしまったかと、俺はしみじみ思った。
     去年は仕事で忙しく、クリスマスを一緒に過ごせなかったから、今年こそサンタ役をやれると楽しみにしてたのだが……。
     息子ももう5歳、いつまでもサンタさんを信じられても困るが、もう少し夢見てもらいたかった。
     後日、愚痴る俺に妻は笑って言った。
    「大丈夫よ。あの子はちゃんとサンタさんを信じてます」
    「なに言ってるんだ? 信じないって、実際言ってるぞ」
    「それは誤解です。ほら、証拠に」
     妻が出したのは、息子の描いた絵だった。
     そこには息子と、トナカイ、それにサンタクロースが並んで描かれ、隅には「サンタさんへ」という字もある。いかにもサンタさんを信じているというのが感じられる絵だった。
    「あれえ? これ描いたのはいつだ?」
    「今日よ。サンタさんへの手紙も幼稚園で書いたんですって」
    「どういうことだ?」
     息子はサンタを信じている? 信じていない? どっちなんだ?
     俺はわけがわからなかった。
     そんな俺に、妻は言った。
    「直接きいてみたら? 今年はサンタさんになにをお願いするのか」
    「そうするよ」
     これに、息子はこう答えた。
    「今年こそトナカイと遊ばせてもらうんだ!」
     意外な答えに、俺は驚いた。
    「プレゼントはいいのか?」
    「去年もお願いしたんだけど駄目だったんだ。サンタさんのウソつき! って思ったけど、2つもプレゼントをもらうことになるからってお母さんに言われたんだ。だから今年はなにもいらないの! トナカイと遊ばせてくれればいいんだ!」
    「そ、そうか……」
     俺の肩に、妻が手を置き言った。
    「よろしくね、サンタさん」
     どうしろって言うんだ……。
     俺は途方に暮れた。

  • #3

    敷布団 (木曜日, 19 6月 2014 21:49)

    『父の資格』

    「なにしに来たの!」
    「出て行って!」
     披露宴の場にそぐわない大声をあげたのは、花嫁とその母親だった。
     その場にいる全員が息をのみ、その様子を見守った。
     2人が怒りをぶつけているのは、中年の男だった。
    「娘の結婚式に父親が出て、なにが悪い」
    「なにが父親よ!」
    「もうあなたとは他人なのよ!」
     どうやら男は花嫁の父で、離婚しているらしい。
     それにしてもなんだろう、この嫌いようは。
     なにがあればこんなにも自分の父親、元夫を嫌えるのだろうか。
     あちらこちらで、ささやき合う声が聞える。
    「新聞で見たわ。あの人がそうなのね」
     新聞沙汰を起こしたの?
     父親が弁解を口にした。
    「もう10年も昔の話じゃないか」
     それじゃあ花嫁が中学生のころ?
     わたしは隣の母に訊いてみた。
    「ねえ、花嫁さんのお父さんでしょ? なんであんなに嫌われてるの?」
     すると、母は小声でこう言った。
    「しっ! あなたも事情を知ればわかるわよ」
     わたしにもわかるものなの? 確かに中学生のころは、わたしも父を毛嫌いしてたものだけど……。
     結局、花嫁の父は問答無用で追い出されてしまった。
     その事情というものを、わたしは後で知った。
     10年前、花嫁が14のときに父親が逮捕された。それが14歳の女の子を相手にした児童売春でだそうだ。
     わたしは納得した。
     父親が自分と同い年の子を金で買う、一生嫌いになるには十分過ぎる理由だろう。

  • #2

    蘭子 (火曜日, 17 6月 2014 21:03)

     琴子の葬儀には、大勢の男が参列していた。
    ほとんどの男が号泣している。
    人目をはばかることなく号泣している男達はいったい誰なのだろうか?

     ひとつわかっていることがある。
    男達は繋がりが無い、つまり仕事などの繋がりじゃなくプライベートな付き合いだってこと。

     二つ目に分かったことは、
    どの男にも共通点がまったく無いこと。
    年齢も雰囲気もカテゴリーがまるで違う。
    明らかに富裕層の男もいれば、学生のような若い男もいる。

     三つ目にわかったことは、
    男達は皆、琴子を愛していたらしい。

    さて、この男たちは生前の琴子とどんな関係があったのだろう。
    実は私も琴子が一体どういう人間だったのか、どこの誰だったのかも、今ではまったく分からない。
    ずっと彼女は専業主婦だと思っていたし、貞淑な女性だと思っていたから。

    私は誰か、皆さんも気になっていることだろう。
    私は、琴子の夫である。
    おそらく、琴子の息子の父でもある。
    今はちょっと自信が無いけど。

    生前の琴子のことを調べるつもりは、まったく無い。
    なぜなら、琴子は優しく穏やかで私にとって完璧な妻だったから。
    それに彼女は、
    私が生涯かかっても稼ぐことが出来ないほどの遺産を、
    私と息子に残してくれたのだから。

  • #1

    山口倫可 (月曜日, 16 6月 2014 20:17)

    #224
    「小さい金色のおうち」
    大きな山の上にいつも金色に輝いているおうちがありました。
    いったいなんであんなに美しいんでしょう?
    ひとつわかっていることがあります。
    山の上なんだから、きっとお金持ちが住んでいるに違いないということです。
    二つ目にわかったことがあります。
    その家は、麓の誰もが行ったことがないのです。
    三つ目にわかったことがあります。
    金色のおうちは、夕方に最も美しく見えるのです。
    私は、不思議で不思議で、
    とってもそのおうちを見たくなりました。
    森の中の獣道を歩き、流れの荒い川をやっとのことで渡り、
    山を越え、谷を越えやっとの思いで山の上に着きました。

    すると、どうしたことでしょう?
    そのおうちは、お金持ちの家らしく大きなおうちではありましたが
    ちっとも金色じゃないのです。
    どうしたことでしょう。こんなに苦労してきたのに…。
    私はガッカリして、もと来た道を帰ろうとしました。
    お日様は東の空からゆっくりと昇っていきます。
    小さい自分のおうちを探そうと、山の上から眺めると
    なんと、私のおうちがとても美しい金色に光り輝いているのです。
    そうです。お日様の光りが、お家を照らして金色に見えていたのです。