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1) 有名人の話から取ったネタ

 これはあるアメリカ人男性の略年表です。
・1816年、7歳のとき一家は立ち退きを迫られ、彼は家族を養うために働き始める
・1818年、母親が死亡
・1831年、共同経営の家が倒産
・1832年、イリノイ州議会に立候補し落選。そして失業。法律学校を受験し失敗。
・1833年、友人から借金をして新しい商売を始めるが同年中に倒産。17年かかって借金を返済する。
・1834年、再び州議会に立候補し当選。
・1835年、婚約するが相手の女性が死亡し、失意のどん底に。
・1836年、極度の神経衰弱に陥り半年間病床につく。
・1838年、州議会議長に立候補し落選。
・1840年、大統領選挙人に立候補し落選。 
・1843年、連邦下院議員に立候補し落選。
・1846年、再び連邦下院議員に立候補し当選。ワシントンに移り、業績をあげる
・1848年、連邦下院議員の再選をめざすが落選。
・1849年、国有地管理局長の職を逃す。
・1854年、連邦上院議員指名投票で落選。
・1856年、共和党大会で副大統領候補としての指名を狙うがわずか百票しか集まらず、落選。
・1858年、連邦上院議員指名投票で再度落選。
・1860年、アメリカ大統領に選出される。
 彼の人生はまさに悲しみと失敗の連続でした。しかし、彼は決してあきらめることなく自分の信念を貫き通したのです。彼の名前はもうご存知ですよね。そうです。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンです。
連邦上院議員選挙に落選したときのリンカーン自身の言葉を引用します。
 「道はつるつるですべりやすかった。片足がすべって、バランスを失いひっくり返ってしまった。でも私は起きあがって自分に言い聞かせた。『ちょっとすべっただけさ。ころんだわけじゃない』」

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2)本で仕入れたネタ

 これは『ラオ教授の幸福論』(スリクマー・S・ラオ/日本経済新聞出版社)で紹介されていたエピソードです。
彼は非常にすぐれた水泳選手で、重要な大会に向けて練習に励んでいました。ところが地面に張った氷に滑って転び、手首を骨折してしまったのです。
何週間にもわたり、チームメイトが激しい練習を重ねているのを横目で見ながら、コーチの指示でプールの横でキックの練習を続けていました。
当初、彼は絶望して、自分の選手生命は終わったと思いました。けれど、気を取り直してコーチに言われたとおりの練習に精を出したのです。
そして、きわめて重要な大会で、彼はライバルに大きく水を開けられていて、負けが濃厚に思われました。ところが、数週間にわたるキックの練習で、彼の筋力はかつてないほど高まっていたのです。彼はそこからさらに力強くキックし、ライバルにタッチの差で勝利したのでした。
その水泳選手とは、マイケル・フェルプスのことです。そして、そのレースとは、2008年の北京オリンピックの100メートルバタフライでした。彼はライバルであるミロラド・カビッチに100分の1秒の差で勝ち、7個目の金メダルを獲得しました。これは競泳史上でもまれに見る僅差のゴールでした。
もしも、彼が手首の骨折という不運に見舞われたとき、自暴自棄になって練習をしなくなっていたら、この偉業はなかったでしょう。ピンチはチャンスになるのです。

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3)映画から取ったネタ


『アポロ13号』という映画をご存知ですか? あまりにもドラマチックな実話をもとにしたトム・ハンクス主演のハリウッド映画です。
1970年4月11日、アポロ13号は予定通り打ち上げられ、順調に月へと近づいていました。ところが、月に到着する直前の13日に酸素タンクが爆発し、急激に酸素が漏れ始めました。地球への帰還が危ぶまれる重大事態です。地上の管制センターでは即座に対策チームが編成され原因究明と対応策が検討されます。ひとつが解決すると、またひとつ問題がやってくるのです。
二酸化炭素濃度が上昇し宇宙船のクルーたちは呼吸困難になっていきます。電力も不足しています。残存電力を保つため、船内は最低限の電力しか使えません。そのため、ウィンナーが凍るほど寒くなります。誘導コンピュータは電力を使いすぎるために使えませんので、手動噴射による姿勢制御を行います。
さらに重大な問題が発生します。大気圏に突入するためのコースがずれてしまったのです。大気圏の進入角度が浅いと弾き飛ばされてしまい、深すぎると焼け焦げてしまいます。次々と障害がやってきますが誰一人としてあきらめる者はいません。
最後、大気圏に突入する段になると、みんなは祈るしかありませんでした。通信が約3分間途絶えてしまうのです。どうなる? 無事に生還できるのか? 手に汗にぎるとき、管制センターの上官がこんなことを口走ります。
「NASAはじまって以来の大ピンチだな!」
 すると、すかさず対策チームのリーダーがこう言うのです。
「お言葉ですが、これはNASAはじまって以来の栄光の時になると思いますよ」
 そして約4分後、交信が入り、宇宙船のクルーたちは無事地球に降り立ったのです。
 いかなる困難な危機にあろうとも、人類の英知の前には不可能はありません。

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4)ことわざから取ったネタ
 
「桃李不言(とうりふげん)下自成蹊(かじせいけい)」という言葉があります。
 「桃李(とうり)言わざれど、下おのずから蹊(こみち)を成す」
 『史記』のなかにある言葉です。桃や李(すもも)は物を言わないが、その下にはおのずと小道が出来る、という意味です。
 なぜ小道ができるかというと、それは、花が咲き、実が成るからです。人々が、その花を愛で、実を取るので自然と道が出来るのであると、司馬遷は『史記』のなかで「李将軍」を称えてこう言いました。
「徳の高い人というものは、自己宣伝しないけれど、自然に皆が心服する」
 人はともすると自分を大きく見せようと自己宣伝します。地位や名誉や金銭を求めてしまうからでしょう。しかし、追いかければ追いかけるほど、地位や名誉や金銭は逃げていきます。
なかには嘘をついたり、強制したりして、他人を従わせようする人もいます。他人をコントロールしようとする試みは必ず反発を買い、とんでもない事態に陥っていくものです。よしんば、うまくコントロールしてモノを売りつけたとしても、相手はあなたから購入したことを後悔し、人間関係を切ってしまうでしょう。
大事なのは徳を積むことです。徳を積み、実力をつけていけば、自然と人は集まり、そこに道ができて、情報やお金がやってきます。地位や名誉や金銭を手に入れるには、まず徳を積むことだったんです。
 いま何を成すべきか、道に迷ったら、この言葉を思い出してみてください。

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5)歴史から取ったネタ


 明治維新で最も重要な事件といえば薩長同盟です。薩摩と長州が反目し合っていたら明治維新は完成しなかったでしょう。
 そして、この薩長同盟を成し遂げた立役者が坂本龍馬と中岡新太郎です。テレビドラマや映画では竜馬のほうが主役になってしまいますが、薩長同盟を着想し、工作し、一貫して推進したのは慎太郎でした。竜馬は途中から参加した協力者にすぎません。
 慎太郎は、京阪と長州と筑前と薩摩の間を何回もかけずり廻りました。およそ志士のなかで、中岡ほど足でかけ廻った男はいないでしょう。しかし、慎太郎がいくら駆けずりまわっても、薩長は動きませんでした。
 なぜならば、慎太郎は理想論ばかりを言っていたからです。
「日本を救うためには、薩摩と長州が手を結び革命を起こすしかない」
 と義を説くわけです。
「義」では人は動きません。
 ところが、竜馬は「利」をもって薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎を説きます。
「長州は幕府の第二次長州征伐に備えて一刻も早く西洋の最新鋭の武器を手に入れなければ滅びる。しかし、幕府の敵とみられている長州に西洋人も武器を売ってくれないし、幕府の厳しい監視もある。そこで、幕府が頼りにしている薩摩が武器を購入し、長州に流す。そのためには薩長が同盟を結ぶ必要がある」
 と竜馬は桂に話します。
 そして、「いま薩摩は米の不作で困っている。長州の米を薩摩へ流せないか。いくらで売ってくれるか?」と持ちかけるのです。
 すると桂は、
「進呈する!」と答えます。
 西郷には、
「蛤御門の変、第一次長州征伐と、薩摩が長州を痛めつけたから、薩摩は世間では不人気だ。評判を落としたら、何もできないぞ」
 と説教します。
 何もできないとはどういうことでしょう。西郷は何を目的に動いていたのでしょうか。西郷は、もともと薩長連合を構想していました。幕府の失墜は痛感していましたし、第二次長州征伐には出兵拒否することを決めていたのです。つまり、幕府を倒して、薩摩が国の実権を握ることを想像していたのでしょう。竜馬はその思惑を知っていて西郷の弱い部分をくすぐるわけです。
 つまり、薩摩と長州、双方の「利」に訴えたわけです。
 慎太郎がいくら駆けずりまわっても動かなかったのは「義」を通そうとしたからです。逆に竜馬は「利」で大きな組織を動かしました。
 人を動かすとき、この「義」と「利」を頭に入れておくといいでしょう。



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