長年、閉所恐怖症に苦しんでいた女性がいました。
50歳の女性です。
狭い囲まれた場所に閉じ込められるととてつもなく恐怖を感じするそうです。
動悸は激しくなり、冷や汗が出てきて、足が震えて立っていられなくなります。
日常生活にも支障がきたすくらいです。
この閉所恐怖症は、子どものころからはじまったそうです。
病院に相談しても、いっこうに改善しませんでした。
閉所恐怖症の彼女がヒプノセラピーを受けました。
催眠状態になると、たちまち前世の記憶が湧き上がってきたのです。
彼女はエジプトで奴隷でした。
エジプトでは、奴隷は、死後の世界でもご主人さまに奉仕しなければいけません。
だから、ご主人さまが死んだとき、奴隷も一緒に生きたまま葬られるのです。
エジプトの当時の風習です。
それで、彼女はご主人さまが死んだとき、締め切られた狭い墓の内部に閉じ込められました。
奴隷には毒薬が与えられています。
墓のなかで窒息する前に飲むわけです。
彼女は、そのときのことを思い出しました。
そして、催眠をとき、セッションは終わりました。
この1度のセッションで、その後、彼女の閉所恐怖症はすっかり消えてしまい、二度とぶり返すことはありませんでした。
このようにヒプノセラピーの前世療法は劇的な奇蹟の起こることがあります。
いったい、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
理由は次の3つが考えられます。
私たちは、無意識のなかにツラい思い出や感情を押し込めています。
幼い頃、親から虐待を受けていたことや、兄弟にいじめられていたことなど、忘れてしまいたい出来事をいっぱい経験しているはず。
そんな嫌なことはサッサと忘れてしまっているわけです。
精神療法の世界では、無意識のなかに抑圧していたツラい思い出を思い出すことがしばしば癒しに繋がることがあります。
忘れていた心の傷を、思い出して誰かに話すだけです。
たったそれだけで、心が癒されて、症状が改善されるのです。
これは医学用語で「カタルシス(感情浄化)解除反応」と呼ばれています。
精神分析や伝統的な真理療法の基本といえるものです。
葬られていた記憶を意識のうえによみがえらせること自体が役立つのです。
この葬られていた記憶は、幼年期だけでなく、前世の記憶も含まれます。
ヒプノセラピーの前世療法によって、自分の前世を目撃すると、霊的な真実を悟ることができます。
霊的な真実とは、魂は死なずに永遠に生き続けるということです。
前世は一度だけではありません。
何度も繰り返し、他の肉体を持ち、他の時代にいます。
日本の鎌倉時代の人生もあれば、中国の唐時代の人生もあれば、中世ヨーロッパの人生もあるでしょう。
性別が変わっている場合もありますし、幼少期に死んでしまうこともあります。
自分自身の死や生まれ変わりを何度も目撃していると、自分が永遠の魂であって、単なる肉体だけではないことを悟るのです。
つまり、人間や人生や命や魂などの真の本質に気づくわけです。
この気づきが強力な癒しをもたらします。
ヒプノセラピーによって、すっかり忘れていた過去の記憶がよみがえってきます。
このことで、原因が解明されることがあるのです。
先述した閉所恐怖症の女性は、エジプトの奴隷だった前世での記憶が原因でした。
私たちは、原因がわからないことに、恐怖と不安を覚えます。
原因がわかると、恐怖と不安は自然に消えていきます。
たとえば、深夜になると、どこからともなく奇妙な声がするとどうですか?
女性がすすり泣きするような声かと思えば、死にかけた子猫の泣き声のような、よくわからない声がするのです。
真夜中になると決まって、その声が聞こえてきます。
怖くないですか?
怖いですよね。
何の声なのか、どうしてそんな声がするのか、わからないから恐怖と不安が襲ってくるのです。
声のする方へ行ってみて、その謎を解明してみると、夜の風が強くなると壊れている屋根が鳴っていたということがあります。
な~~んだ。
と胸をなでおろして安心するはずです。
とにかく、原因が解明されると、人間は安心します。
それで、緊張感が取れて、症状が緩和するという理由が考えられるのです。
他にも、いくつか考えられますが、ヒプノセラピーで症状が改善された事例は無数に報告されています。
医療として認められているアメリカでは、科学的なレポートや論文がいっぱいあります。
精神的に傷ついたベトナムの帰還兵たちを社会復帰させたのも、多くはヒプノセラピーでした。
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